ピアノの霊ちゃんの生い立ちピアノの霊ちゃんの生い立ち 数年前 と思っていたら、もう7年も前のこと、 激安ヨーロッパツアーでの出来ごと。 イギリスのホテルに着いたら、 水道管が破裂して、 急遽ホテルを移動する事になった。 移動先は・・・ ついてる! ダイアナ妃邸宅隣の、豪華5ツ星ホテル! (これを塞翁が馬という) 豪華ホテルも夜中の2時では 寝るしかなく、就寝。 (これを宝のもちぐされという) あ・ごめん 霊ちゃんのお話だった。 明くる日午前中は市内観光で、ロンドン塔では、 必ず霊が出るとおどされながら、何事もおこらず、 午後は自由行動。 私は最終地のパリで、美術館めぐりをするため、 2週間ツアーから、離れて一人残る事になっていたので、 ひとり歩きの練習をした。 地下鉄に乗り、迷いながら、 やっと大英博物館にもたどりつけた。 (ゆっくり観る時間はなかったけど 残念) その日の夕食はちょっと豪華なレストラン。 着替えをして6時に集合なので、 タクシーでホテルに帰る。 エレベーターに乗って、私の部屋8階へ。 ところが、 2、3階に来たところで、エレベーターは下へ降りていく。 おかしいな、とまた8階を押す。 今度は6階あたりで、また下へ。 おかしい?8階を押す。 なんども繰り返している内 やっと6階を過ぎたので、 私は安心して、目をとじた。 エレベーターがす~ぅっと開いて、 目の前にひらけたのは 廊下ではなく ふかふかの絨毯が敷きつめた あかるい部屋。 壁には 絵がかかって、 あ・グランドピアノ! 屋上に来てしまった と私は一瞬思った。 グランドピアノ ああ 外国のグランド・・ スタインウェイに違いないと駆け寄ると、 なんと日本でおなじみYAMAHAピアノだった。 スタインウェイでないのが残念だったが、 蓋も開いてるし、明るいし、 ちょっと コワゴワ弾いてみる そのころ、レッスン中だった、ベートーベンのテンペスト はじめの部分くらいは覚えていたので、 弾きはじめると、 なんと、 スラスラと・・ 暗譜はおろか、楽譜を見ても弾けなかったテンペストが、 すいすいと弾ける。 まるで、誰かが腕をもって、弾かせてくれてるような感触。 もう 私は夢中で弾き続けた・・・。 う~ん名演奏! と思ったとき、 エレベーターのドアがすぅ~っと開いた。 あ 外国でこんな事をしたら、殺されるかもしれない、 どうしよう・・・ エレベーターから降りてくる 私を咎めに降りてくる人を こわごわ 迎えるべく立ちあがる。 エレベーターには だ~れも乗っていなかった。 そのエレベーターに飛び乗り 8階を押して、ぎょっ! G・2・3と昇って行くエレベーター 私が降りたのは 地下室だったのだ。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ やっと8階に着き、自分の部屋で、深呼吸。 さっきの出来事は いったいなんだったんだろう。 わたしが 暗譜であんな名演奏 出きるわけが無い。 これは本人が一番知っている。 ホテルの地下室に エレベーターのドアが開くと、 いきなり、部屋がある。 しかも 誰もいない部屋に 電気が煌煌とついている。 ピアノの蓋が開いている・・・。 なぜ YAMAHAピアノ・・・。 そのことよりも なによりも、 あの名演奏は いったい誰だったんだろう? 午前中に行った ロンドン塔で、ピアニストの霊に 憑かれたのだろうか? 大英博物館もあやしい。 昨日のドイツで、 モーツアルトの生家にあった モーツアルトのお姉さんの肖像画を見たとき、その人物と目があって、 背筋がゾクーとしたのを 思い出す。 モーツアルトの お姉さんかもしれない。 ん・? でもベートーベン・・では、時代が合わない。 いや このホテルの地下室に棲んでいる霊かもしれない。 夕食の集合時間が迫っているのに 私はベッドに坐りこんで、 なかなか 着替えが出来なかった。 ツアー仲間に ドアをたたかれ、「早くぅ 遅れるよ」 我にかえってあわてて着替え、夕食へ。 ツアー仲間に話すと、きっと地下室に行こうというに違いないから、 きっと今度はホテルの人に見つかるだろうから、と 誰にも話さなかった。 夕食が終わって、もう一度あの部屋に行ってみたかったが、 みんなと一緒だし、酔っ払ってるし、夜の地下は 気味わるいし、で、 その夜は 寝てしまった。 明くる朝、こっそり地下室に行ってみようと思っていたのに、 また、ツアー仲間に ドアをたたかれ、 一緒にエレベーターに乗った。 私はエレベーターの表示、地下ばかり、ながめていたが、 しかたなく朝食へ。 そのホテルのロビー 激安ツアーは時間があわただしく そんなこんなのうちにホテルを出発してしまった。 私の謎はとけないまま・・。 ~~~~~ ♪つづく ~~~~~~ ジャンル別一覧
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